「料亭」のような家

「料亭」というと、お偉い政治家さんが密談するのに利用するような印象がありますね。何でも「料亭」の定義には「格式・威厳がある」「正当な料理、高いもてなしができる」「芸妓衆を呼ぶことができる」と並んで「その土地の政財界に通じている」というものがある位だから「料亭」は政界と深い関係があるのですね。
僕は政治とは関係なく長崎の「料亭」に何度か足を運んだことがあります。長崎の「料亭」には坂本龍馬など幕末の志士たちが通った歴史の古いものもあり、正統なしっぽく料理や芸子衆(げいこし)の魅力もさることながら、仕事柄建物を見るのを楽しみにしています。歴史のある日本の建物は、本当に美しく、合理的ですが、「料亭」という商用目的の建物は特に個性的で、凝った意匠がすばらしいものが多いですね。

史跡料亭「花月」長崎市HPより引用
ここの床柱には坂本龍馬がつけたと云われている刀傷がありますねそんな「料亭」を彷彿とさせる家が長崎の戸町にあります。場所は、戸町トンネルを通って左側の戸町小学校の近くです。
 
4つある和室のひとつです。明かり採りの窓の細工がいいですね。じゅらく壁の色も全体の雰囲気にマッチしています。

 
3つの和室と庭の間には広縁が廻してあります。写真では判りにくいですが、サッシではなく木枠の窓です。こんな古い家は、大抵窓はサッシに変えているものが多いですが、この家にはサッシはありません。中折れねじ締り錠が懐かしいですね。

  
広縁の端っこにある物入れの建具です。細工が施された磨りガラスと引手がいい味を出しています。右のは広縁にある袖壁です。竹という素材は特に和を感じさせますね。


古いなかに造り手のセンスがきらりと光るキッチン。白いタイルとラウンドした木枠がかっこいいですね。その時代の最先端のデザインだったかもしれません。

 
掘りごたつがある玄関側の和室です。引戸の型ガラスや明かり採りの窓の細工など手を抜いていませんね。照明もかなり古いものです。

   
応接間に使っていたとおぼしき洋室。この時代の洋室によくみられる暖炉もどきがあり、ガラスブロックも使用されています。こういう部屋にはシャンデリアが良く合いますね。山崎豊子原作のドラマに出てきそうな部屋ですね。磨りガラスの窓や、型ガラスのはまった建具と、いちいちかっこいいですね。

  
このタイプの洗面台は僕も初めて拝見しました。「エイダイ ロワールデラックス」という品みたいです。マーブル模様のボウル周りや直線にデザインされたメッキパーツが今の洗面台にはない高級感があります。横の壁には謎の丸いものがありますが、歯ブラシ立てでしょうか?

 
玄関を入ると正面に明かり採りの窓がみえます。内側からみた玄関。タイル貼りの三和土がモダンですね。

 
2階の洋室にある不思議な物入れです。畳が敷いてあり、建具が無いところをみると子供用の2段ベッドでしょうか。照明も当時の物みたいですが、保存状態が良いですね。

   
2階の洋室と和室の間には4段しかない階段があります。和室の窓側には地袋があります。ここに座って庭を眺めるとすごく粋な気分に浸れます。床の間の違い棚と雨戸のかんぬきです。この家は本当に見どころいっぱいですね。

 
2階部分は増築したそうで、1階の壁と造りが違います。1階部分には焼き杉の腰壁と土壁が施してあります。味がありますね。

築年月日不詳ですが、60年は経っているとのことです。元は大工さんの家だったらしいので、ここまで凝った造りなのもうなずけます。いつまでも残して欲しい家ですね。

【物件データ】

売一戸建て
所在:戸町3丁目
価格:1280万円
土地:212.36㎡(64.23坪)
建物:122.95㎡(37.19坪)
取引態様:仲介

詳細は”文化不動産事務所”で検索してください。

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